※本稿は、堀紘一、津田久資『本物のコンサルを選ぶ技術』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
相手のコミュニケーション能力を一発で見極める方法
雑談ができて日常会話ができる
コンサルタントにはコミュニケーション能力が必要だ。どんなに頭脳優秀で、知識が豊富で理解力があっても、会話がスムーズにできなければコンサルタント失格だ。
コミュニケーションがうまくできなければ、情報収集もうまくできない。相手の気持ちを理解できないから、コンサルティングもつい独りよがりのものになりがちだ。
コミュニケーション能力を測るには、雑談をしてみれば一発でわかる。
日常の会話が自然体でできるかどうか? 相手の話に上手に相槌を打ち、適切な返しができるかどうか? こんなことはコンサルタントである前に、イチ社会人として当たり前に磨かれていなければならない能力だ。
専門分野に特化した知識や情報はあっても、いわゆる専門バカではコンサルタントは通用しない。
コンサルティングとは学問ではないからだ。会社という組織は営利を目的としていて、ビジネスとは実社会での生々しい現実だ。一般常識や社会常識があり、世の中のこともよく知っていて、ある種のバランス感覚がなければコンサルタントは務まらないのだ。
ところが、バカと天才は紙一重という言葉があるように、知能指数が140も150もあるような人間には、ちょっと変わった人物が多いことも確かだ。
東大やハーバードを最優秀で卒業したような人物の中には、そんな「変人」も確実にいる。それがそのままコンサルタントになった場合は少々面倒だ。
残念ながらそういう人物は、社会性が欠けていることが多く、コンサルタント会社の中でも浮いていたし、顧客からも指名されるということがほとんどなかった。
本人も、どうせ自分の言っていることなどわかってもらえなくてもいいという感じだった。
コンサルタントは優秀な頭脳を求められるが、かといって頭脳が傑出している人間は得てして社会常識に欠ける。コンサルとはつねにこのジレンマを抱えている職種なのだ。