ビジネス上の問題解決には、何が最も必要か。経営コンサルタントの堀紘一さんは「企業が問題としているのは真の問題ではなく、真の問題のたんなる『結果』に過ぎないことが多い。本当に難しいのは何が問題か、つまり『問題をどう設定するか』ということだ。この『問題設定能力』を徹底的に鍛えている一流のコンサルタントを雇う意義と効用は十分にある」という――。
※本稿は、堀紘一、津田久資『本物のコンサルを選ぶ技術』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
わざわざコンサルに頼む意味は「時間を買う」にある
コンサルティングの効用①
「時間を買う」ことで機会損失を避けることができる
「時間」は、ビジネスにおいて重要なファクターである。たとえば新規分野に参入が遅れれば、他社にシェアを確保され、莫大な利益をフイにすることもあるだろう。
反対に、適切なコンサルティングによって参入が半年早まれば、他社に先駆けてシェアを確保して、大きな利益を得ることができる。
新規事業や海外進出などの際に、コンサルティング・ファームを雇えば、自社だけで取り組むよりも、より適切で迅速な対応ができ、機会損失を防ぐことができる。
コンサルタントは「時間」という価値を、企業に提供しているのだ。
どれほどの大企業の経営戦略部門でも、一流と呼ばれているコンサルティング・ファームの蓄積されたノウハウと情報に適うものではない。
経営戦略コンサルティングに限らず、総合系にしてもIT系にしても、すべて同じことが言えるだろう。それぞれが専門分野での経験値を積み上げ、多くの実例と膨大なデータを有している。
コンサルティングはノウハウや情報だけでなく、「時間を買う」という点で大いに効用があると考えてよいと思う。