理解し合い、本音を言い合える関係を築く方法

コンサルの実力を見抜くポイント③
食事やお酒などのつき合いが上手にできる

私はボストン コンサルティング グループ(BCG)にいた頃から、クライアントはもちろん、さまざまな人たちと食事を一緒にしたり、お酒を飲んだりしてきた。

食事やお酒をともにすることで、お互いを理解し合い、本音を言い合える関係を築いてきた。

コンサルにとって、こうしたつき合いは仕事をする上でとても重要だと考えている。

一般に、アメリカのコンサルタントは、クライアントとディナーを食べる習慣がない。朝か昼に一緒に食事しながら仕事の話をするが、夜の食事やお酒は一緒にしないのが普通だった。ディナーは帰宅して、家族と一緒にとる人が多いからだ。

対して日本は、夜に一緒にお酒を飲んで話をすることが多いと思う。日本人である私も“夜派”であり、当時のBCGでは私ともう一人、ウィーンの事務所にやり手の女性のコンサルタントがいたが、この2人が“両横綱”とされていた。

両横綱はBCGでの一種のコモンジョークになっていて、それだけ目立っていたということだろう。

ご飯の誘いを断るコンサルタントに欠けている視点

朝・昼のアメリカ型がいいのか、夜の日本型がいいのかは一概に言えない。それは文化の違いそのものだから。

いずれにしてもオフィスを離れて、食事をしながらリラックスしてコミュニケーションを取るということはとても大切なことだ。

だからコンサルタントを雇ったら、ランチでもディナーでも、あるいは軽く居酒屋で一杯でもいいから誘ってみることだ。

なんだかんだ理由をつけて、誘いを断るコンサルタントはコンサルティングの本質を理解していないかもしれない。「知識」を当てはめれば答えを導くことができると考えている、まがい物のコンサルの可能性が高い。

どんな食べ方をするかとか、店での立ち振る舞いや店員に対する態度から、その人柄や素の姿を知ることができる。

ビジネスミーティングでレストランに座る人
写真=iStock.com/South_agency
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お酒を飲んでも乱れることなく、相手を気遣いながら、楽しく会話することができるコンサルタントなら、まずは合格だろう。

社会性という点において、先ほどお話ししたような「変人」ではないことは確かだ。肩の力を抜いて一緒に食事をして、いろいろ会話をすることで、見えてくるものがあるはずだ。