中年以降、性機能が衰える人は多い。セックスや自慰行為をしなくなると、体はどのように変化するのか。自身の経験をもとに男女の性機能について取材を続けてきた径書房代表の原田純さんは「夫と20年以上セックスレスだった私の体には、気づかない間に深刻な病気が進行していた」という――。
診察する医師
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射精好きよりも、セックス好きが健康になる

「男には『射精好きの男』と『セックス好きの男』がいるのよ。女性にとっていいのは『セックス好きの男』。だけど男性は射精にこだわるからねえ」

医師の関口由紀先生はそう言って、ため息をついた。

これは、「中高年男性の性機能の衰えは、女性にとっても問題があるのでは?」という私の質問に対する関口先生の答えである。

「射精好き」と「セックス好き」? 男性の加齢による性機能の衰えと、それはいったい、どんな関係があるのだろう。

関口医師、熊本美加さん、そして私(原田純)が、3人で会うのは久しぶりだった。それなのに近況を尋ねあうこともなく、すぐに中高年の性機能・性ホルモン、そしてセックスの話になる。

なぜなら、関口先生は言わずと知れた、日本の女性泌尿器科医の第一人者で60代。熊本さんは、男性ホルモンの重要性に早くから着目し、「日本の男性医学の父」と言われた故・熊本悦明よしあき医師の娘で、長年、父親の仕事を手伝い、現在はテストステロン(男性ホルモン)を専門とする医療ライターとして活躍中の50代。そして、『ちつのトリセツ』(径書房)を執筆して、「女性の性機能の衰えは全身の衰えに通じる」と警鐘を鳴らした私、原田純、70代。

男性がセックスをやめると、女性も困ったことになる

私たち中高年女子3人組の最大関心事は、つねに中高年の性。毎回、会うたびに、大真面目で「性交痛や勃起不全はなぜ起こるのか」とか「セックスはしなくてもいいか、したほうがいいか」などという話を夢中になってしているのである。

私は、もう一度、関口先生への質問をくり返す。

――男性がセックスをしなくなると、女性の健康にも影響が出ますよね?

そう。男性は、勃起できなくなったり、女性とのセックスで射精できなくなったりすると、セックスをやめちゃう人が多いんです。そうするとセックスレスになって、女性の体にも影響が出てくる。