性機能の悩みを正面から医師に相談する人は多くない。だが、泌尿器科の診療現場では、性行為・自慰行為の頻度と血管系疾患リスクとの関連が蓄積データとして語られている。泌尿器科医の関口由紀医師と、男性ホルモンを専門とする医療ライターの熊本美加さんが「中高年の性機能に潜むリスク」を解説する――。(聞き手・構成=径書房代表・原田純)
医療面接
写真=iStock.com/Pornpak Khunatorn
※写真はイメージです

性機能の衰えは、生死にかかわる

日本では、ある程度の歳になると、「セックスは卒業」と考えられているようだ。

私も、かつてはそう考えていた。20年以上セックスレスだった夫と60歳目前で離婚したあとも、セックスはもちろん、マスターベーションすら「したい」と思ったことはなかった。セックスだけでなく恋愛にも興味を失っていたのだが、わずらわしさから解放されたような気がして、むしろ平安を得たような気分だった。

ところがなんと、それこそが、私の体内に埋め込まれた時限爆弾だったのだ。