暑くなってくると梗塞リスクに注意
暑くなってくると熱中症に警戒するが、同時に「脳梗塞」や「心筋梗塞」のリスクも高まることをご存じだろうか。暑さで脱水状態になると、いわゆる“ドロドロ血液”となり、血栓(血液の塊)ができやすい状態になる。この血栓が脳に詰まれば脳梗塞に、心臓なら心筋梗塞を起こすというから恐ろしい。
予防策を知りたいが、その前に“ドロドロ血液”とは医学的にどのような状態のことをいうのだろう。
体内をめぐる血液量は通常、体重1キログラムにつき約80mlあるとされる。体重60kgの人なら5リットル弱もの血液が流れている計算だ。その血液は、酸素を運搬する「赤血球」、免疫機能を担う「白血球」、血液を固める「血小板」といった「細胞成分」と、血漿と呼ばれる「液体成分」から成り立っている。血液全体のおよそ45%が細胞成分で、残り55%が血漿成分という。
これをふまえてドロドロ血液とは――循環器を専門とする東丸貴信医師(東邦大学名誉教授)が説明する。
「脱水、つまり水分不足になって血液が濃くなること、相対的に赤血球の数や血色素量が増えて血液粘度が上がった状態です。すると血液が毛細血管など細い血管内を流れにくくなり、末梢循環が悪くなるのです」
特に高血圧症や糖尿病などの生活習慣病を患っている人、もしくはその予備群で血糖値が高い人は血液が固まりやすいので注意が必要という。
「動脈硬化が進んでいるため、血管内が狭くなっている可能性があり、またこのような場所にはちょっとした脱水で血栓ができます。そして血栓でこの部位が詰まると、急性心筋梗塞や脳梗塞を生じやすくなるのです。静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群=下肢の静脈に血栓ができたり、その血栓が心臓に流れて肺の動脈が詰まる)を発症する危険もあります」(東丸医師)
狭くなった血管を持つ人が炎天下でのゴルフやサウナなどで脱水状態になったうえ、ストレスがかかる環境や睡眠不足が続くなど、負の条件が重なったときが危ない。
「ストレスによって交感神経が刺激されると血小板を活性化して凝集(集まって付着する)させるアドレナリンなどが増え、血小板凝集が引き金で血液が固まりやすくなります。また心身にストレスがかかると、血管が収縮(痙攣)しやすくなってしまうのです」(同)
持病がない人も60歳を超えると腎臓の機能が低下し、体内の水分調節がスムーズにいかず、脱水状態に陥りやすいというから気をつけたい。
ここから先は有料会員限定です。
登録すると今すぐ全文と関連記事が読めます。
- 広告最小化で快適な閲覧
- 雑誌『プレジデント』が最新号から読み放題
- ビジネスに役立つ学びの動画が見放題
- 会員限定オンラインイベント
検索時にプレジデントオンラインに関連する記事が表示されます


