体重を15キロ減らせた食事スタイルとは
私は46歳で身長165センチ、体重52キロ。この20年、体重の変化はほぼなく、血糖値や中性脂肪、コレステロールなど血液検査の数値はすべて正常値だ。しかし、20代前半は体重67キロで肥満に悩んでいた。当時食事量は少なく、大抵は一日一食。しかも若いから基礎代謝量は高かったはず。つまり46歳の今よりも、摂取カロリーは少なく消費エネルギーは多かったのに、太っていたのである。それではなぜ痩せられたのか。それは「12時間以内に3食を摂る」という「12時間断食」に食事スタイルを変えたからだと私は考えている。
太っていた頃の私の食事スタイルは、近年流行りの「16時間断食」に近い。16時間断食とは1日(24時間)のうち「8時間以内に食事を済ませる」というもの。20歳の頃は、夜中に飲み食いをして、翌日の日中は一切食べない、というのがほとんどだった。けれども、太っていたのだ。
「それは体内時計(昼夜に合わせて体温やホルモン分泌など体内環境を変化させる機能の総称)のリズムを無視しているからです」
と、早稲田大学名誉教授の柴田重信氏は言う。
「体がエネルギーを使おうとするときに食べなかったり、体が脂肪をためこもうとするときに食べたりすれば、ダイエット効果が得られないのは当然のこと。食べる時間帯を減らす『プチ断食』(食事時間制限法)はカロリー制限よりも、肥満やメタボを防ぐ効果が高いといわれ、世界中でブームになりました。2016年に大隅良典氏が解明した細胞の健康を維持するオートファジーという体のシステムも、絶食によって活発になります。いずれのプチ断食も、体内時計のリズムに合った方法で行ってこそ、最大の効果が得られるのです」
オートファジーとは、細胞が栄養環境が悪化したときなどに自ら一部を分解する働きのこと。オートファジーによって細胞が生まれ変わるというのだから、すごい。
ちなみに体内時計のリズムに合った食べ方や習慣を明らかにする学問を「時間栄養学」といい、柴田氏はその第一人者である。
「細胞の再構成というと聞こえはいいですが、結局“壊す”方向なわけですから、どこかで合成のスイッチを入れなければ壊れ続けてしまいます。ですから絶食時間が長ければいいというわけではありません。
また体内時計のリセット効果を高めるには、絶食→朝食の流れがベストなのです。英語で朝食のことをbreakfastといいますが、これは夜の長い断食時間(fast)を終える(break)行為ということを意味します。起床して光を浴び、2時間以内に食事をする(朝食を摂る)ことで体内時計がしっかりとリセットされ、エネルギーを燃やす準備を整えます。絶食の後に昼食や夕食がきてしまうと、体内時計のリセット効果が弱く、食事後の血糖値も下がりにくいのです」
古くなった細胞を新しく生まれ変わらせるオートファジーを活性化させるためなど、1日の中で「絶食時間(断食)」はある程度あったほうがダイエットにも健康にも良いことがわかっている。一方で、体内時計を整えることが心身の健康やパフォーマンスにも非常に重要なのだ。そして人間の体内時計は放っておくとずれやすい。毎日時計の針を24時間に合わせる調節(リセット)が必要で、それは光(主に太陽光)と食事(朝食)によって行われる。だから絶食→朝食の流れなら、両方のメリットを得られるというわけだ。
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