※本稿は、髙木拳斗(けんとのダイエット講座)『「モリモリ食べたい!」「運動嫌い」でもなんとかなる 40代からのゼロリバウンド・ダイエット』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
更年期になると代謝が下がる理由
更年期は体調の変化が大きく、ホルモンバランスの崩れから、自然と代謝が低下します。だからこそ、40歳以降のダイエットは、自分に合った長く続けられる方法が大切になるのです。
「更年期だから仕方ない」とあきらめるのではなく、かといって「若い頃にやせた」という思いこみで、食べないようなダイエット法をくり返すのもNGです。
まずは「なぜ、更年期になると代謝が下がるのか、やせにくくなるのか」という理由をざっくり知っておきましょう。ダイエットのモチベーションが上がり、取り組み方も変わりますよ。
40歳を過ぎた女性からよく聞かれるのは「昔よりやせにくくなった」「食べる量を減らしてもやせない」といった声。これらは、まさに代謝が低下すると起こります。
では、更年期になると代謝が下がる理由は? それはおもに、女性ホルモンの「エストロゲン」の分泌が低下するためです。
エストロゲンには、女性の体を守る様々な働きがありますが、細胞内のミトコンドリアの働きを活性化したり、上がった血糖値を下げるホルモン、インスリンへの感受性を高める作用があります。
ミトコンドリアは、体のエネルギーを産み出す工場という役割を持っています。エストロゲンは、糖が体のエネルギーになって利用される一連の流れ「糖代謝」を高めますが、それはインスリンへの感受性を高めるからともいえます。
エストロゲンが減少すると、脂肪を溜め込みやすい
実は、糖質はそのままではミトコンドリアのいる細胞内に入ることができません。インスリンが細胞の入り口をガチャッと開けて、糖質を細胞内に誘導してくれるんです。
糖質が細胞内に入ってしまえば、血液中の糖質が減って、血糖値も低下します。インスリンへの感受性が高いとは、いい換えるとインスリンの効き目がよいということ。細胞内に糖がスムーズに取り込まれ、血糖値が下がれば太るリスクはないわけです。
ところが、インスリンへの感受性が低く効き目が悪いと、細胞内に糖を取り込むのに時間がかかります。きちんと食事で栄養を摂っている割に、代謝が悪くなってエネルギーがなかなか作られない……これが続くと血糖値が乱れて、太りやすくなるのです。
しかも、エストロゲンには、脂肪の蓄積を抑えたり、脂肪燃焼を促進する作用もあります。そのため、更年期でエストロゲンが減少すると、脂肪を溜めこみやすくなることもわかっています。
植物性エストロゲンといわれるイソフラボンを大豆製品から摂るのも対策の1つ。厚生労働省はイソフラボンの1日あたりの摂取の上限量を70~75mgとし、豆腐なら1丁(350g)ほど。積極的に摂らずとも、日常で少しずつこまめに食べればOKです。
更年期は代謝が下がるからこそ、三大栄養素はもちろん、ビタミンやミネラル、食物繊維など、いろんな栄養素を摂らなきゃいけないんですよ。代謝を下げないために筋トレもちょっとして、積み重ねて代謝を上げる! その後押しをしたいと僕は思います。


