無理なくダイエットを成功させるためには、どんな工夫をしたほうがいいか。心臓血管外科医の渡邊剛さんは「食べる量だけではなく、食べる時間に注意したほうがいい。時間栄養学の研究によると、脂肪をため込みやすくなる時間帯がある」という――。(第5回)

※本稿は、渡邊剛(著)、坂本昌也(監修)『世界一の心臓血管外科医が教える 善玉血液のつくり方』(あさ出版)の一部を再編集したものです。

ダイエットのための食事計画
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「糖質制限ダイエット」にはリスクがある

悪玉血液でだぶついている栄養素のひとつが、糖質です。それなら、善玉血液にするには糖質を摂らないようにすればいいのでは。そう思う人も多いでしょう。

血糖値を上げるのは糖質だけですから、糖質を摂らなければ糖尿病(2型糖尿病)になることも、太ることもありません。ダイエットや糖尿病予防の目的で炭水化物を制限する人がいますが、短期的には、その効果は絶大だと思います。健康診断の血糖値関連の指標は下がるでしょうし、体重も落ちるでしょう。

しかし、長期的におすすめできる健康法ではありません。

特に、炭水化物をほとんど摂らないような極端な炭水化物制限は、健康になるどころか、逆に体を壊すこともあります。なぜなら、私たちの三大エネルギー源のひとつである炭水化物を抜くと、エネルギー不足になる可能性があるからです。

脳にとっての唯一のエネルギー源は、糖質です。不足すると集中力の低下やイライラにつながります。また、エネルギーの絶対量が不足すると体力が落ち、疲れやすくなります。