明治32年に米国で出版された英語版が本書の原型だ。義・勇・仁・礼・誠・名誉などを特色とする
「武士道」が私たち日本人を律していると著者は説く。いまの日本は、長期の経済停滞や東日本大震災の打撃から自信を失いかけているといわれるが、半面ではスポーツの国際試合で「サムライ」の言葉が使われるなど、武士道精神の再認識が進んでいる。

奇跡的とされた戦後復興の原動力は、国の名誉を回復しようとする個々人の奮起にあったともいわれている。海外で高く評価されるのも礼節を重んじる私たちの姿勢だ。そうした武士道の心を礎とし、技術やサービスのレベルを高めていくことが停滞打破につながるだろう。いまこそ読まれるべき本である。

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