傍らに常に置いてある十数冊のうちの1冊。昔から生きるための背骨となる考え方を常々模索してきたが、難解な理論よりも、やはり実践者たる経営者の言葉に格別の重みを感じている。日本の資本主義の父・渋沢栄一はそうした経営者の最右翼だ。仕事のちょっとした合間に本書をひも解けば、その時々の琴線に触れる訓言が必ずあるはずである。
深く生きた経営者は哲学者であり、その言葉に触れることは、生きるための哲学に触れること。2012年に絶好調だったわが社には、「満足は衰退の第一歩」の一言が戒めとなった。さらなる飛躍を目指す今年は戦いのステージが変わるが、社員は決して焦らずに、「悠々と急いで」「王道を歩いて」ほしい。