「無駄な悩み時間」を減らせば、幸せが増える
ここまで読んで、「成功」という言葉に違和感を覚える方もいるかもしれません。
「私は貪欲なタイプではないし、ガツガツ成功を目指すのは興味ないかな」
「エリートになりたいわけでも、億万長者になりたいわけでもない」
野望を抱き、叶えて贅沢な生活を送る、などの「典型的な成功者像」に、繊細な人は、どこかしら縁遠さを感じることがあるようです。
しかし成功とは、そうした世間的なイメージに限ったことではまったくありません。
究極的に言えば、その人が幸福を感じて生きているなら、どんな人生であれ、また人がどう思おうと、成功です。
そこで重要となるのが、「自分が何に幸福を感じるか」というポイントです。
皆さんは、「私が求めるものはこれです」と言えますか?
この点を明確にしていない人は、意外に多くいます。
それは、「無駄な悩み時間」を増やす一因となります。たとえば、もともとキャリア志向でもないのに、大学の同級生が出世したらなんとなく劣等感に駆られて悩んだり。その無駄を防ぐためにも、自分の幸せ実感ポイントを明確にしましょう。
幸せを実感するためには…
ここでは第2回で紹介した「3タイプ分け」が役に立ちます。今度は他者のためではなく、自分がどれに当てはまるか、を考えます。パーソナリティ重視、パフォーマンス重視、ブランド重視、それぞれが求める成功の形は、大きく違います。
パーソナリティ重視の人にとっての成功は、自分の人格を高めることです。誠実さ、高潔さ、温かさ、深みといったものを備え、結果として、他者との間に信頼関係を築き、理解し合える人たちとの交わりを持つことを求めます。
パフォーマンス重視の人は、実績や財産など、形ある成果を手に入れることを望みます。また、人との関わりにおいては「切磋琢磨」を求めます。好敵手と競い合い、互いを高め合っていくことに、やりがいと喜びを感じます。
ブランド重視の人は、地位や権威などのきらびやかなものに惹かれますが、それは「自分が自由に動ける」「イニシアチブを取って行動する」という目的があるからです。
あなたは、どんな幸せを、成功を望みますか? ぜひ考えてみてください。
意外に俗っぽい本音やイヤな一面を発見しても、「恥ずかしい」などと思う必要は一切ありません。自分に対しても、良い・悪いのジャッジを下すのは禁物です。望みを見つけて正直に向き合ったら、あとは期待せずに淡々と進んでいくのみです。