※本稿は、小林克『稼げる「ひとり社長」の当たり前』(現代書林)の一部を再編集したものです。
あなたの名刺はなぜ印象に残らないのか
ビジネスにおいて名刺交換はもっとも基本的なマナーであり、第一印象を決定づける瞬間でもあります。
名刺には、氏名、会社名、役職、住所、電話番号、メールアドレスなどが記載されており、自分がどこの誰で、どのような立場にあるのかを明確に伝えるツールです。口頭で自己紹介するよりも正確で、視覚的に相手に情報を届けることができます。
この名刺交換の文化は、日本特有ともいわれますが、その背景には「相手を尊重する」という精神が根付いています。名刺を両手で差し出し、相手の名刺を大切に扱うことで、「あなたを敬意を持ってお迎えします」という非言語のメッセージを送っているのです。
名刺交換の回数が多くなるほど、「誰と、いつ、どこで交換したか」を忘れてしまうことはないですか。
私自身、これまでに1000人以上と名刺を交わしてきましたが、はっきりと印象に残っている名刺はほんの一握りです。
名刺は確かに「自分を伝える道具」ではありますが、礼儀正しく名刺交換をしただけで、相手の印象に残ることはありません。
受け取り方がガラッと変わる「ひと工夫」
「自分が相手の役に立てる存在である」と伝えられない名刺は、名刺が持つ本来の可能性を活かし切れていないともいえるでしょう。
では、どうすれば印象に残る名刺になるのか。
答えは簡単です。「自分の情報を伝える名刺」から、「相手にメッセージを届ける名刺」に変えることです。そのために、私はひと工夫をしています。
それは、名刺の裏面に相手の業界や職種に合わせた一言メッセージを書くということです。
たとえば、中小の建設業界や土木業界の方と名刺交換をする機会がある場合、
「若手の現場定着に向けて、一緒に考えます」
というような、業界における課題に寄り添った短いメッセージを手書きで記載します。
この一文があるだけで、相手の関心を引き、「自分の話を理解してくれる人」「課題解決のパートナーになりえる人」という印象を残すことができるのです。
名刺交換のときに、そっと「裏面もぜひご覧ください」と一言添えるだけで、受け取り方がまったく変わります。

