成功者は、なぜ成功できたのか

成功体験、と言えば……世の中の、いわゆる「成功者」は、なぜ成功するのだと思
いますか?

10年ほど前、その要因を探る大規模研究が米国で行われました。ハーバード大学の卒業生を対象に、20年にわたってその後の人生を追跡し、社会的成功を収めた人と、そうでない人の分かれ目を調査。実家の経済力、IQ、専攻分野などなど、さまざまな比較軸で調べたものの、いずれも、決定的な要因ではないことがわかりました。

では何が決め手だったかというと、なんと「頑張り」だったそうです。「成功したのは、成功するまであきらめなかったから」――少し拍子抜けするような話ですが、それが最終結論でした。

国内でも、似た実験があります。東大を卒業した人のグループと、それ以外の大学を出た人のグループで、「どれだけ長く息を止めていられるか」を競ったところ、東大卒の人々のほうが明らかに長かったそうです。ここでも、東大に合格して卒業するという成果と、「頑張れるか否か」は深く関わっていることがうかがえます。

だから、繊細な人もとにかく頑張れ……という話ではありません。

私が紹介したいのは「頑張らなくても結果を出せる方法」です。

「スモールステップ」が成功への近道になる

成功の決め手が頑張りなら、その「頑張れる力」はどこから生まれるのか、そこが重要です。成功するまで頑張れる人の共通点は何かというと、それは、「成功体験があること」です。禅問答のようになってきましたが、要は、こういうことです。

もともと、成功を感じやすい人は……

→ 成功を感じやすいため、必然的に成功体験が多くなる
→ チャレンジを恐れなくなる
→ 失敗しても、いちいちダメージを受けない
→ 成功するまで何度でもチャレンジする
→ 成功する

つまり、スモールステップで「できた!」を多く味わい、「50点主義」でさらに成功を感じやすくすれば、いずれは大きなチャレンジも怖くなくなり、大きな成功もできる可能性が高くなるのです。

ジーンズと赤いスニーカーを履いて階段を上る男
写真=iStock.com/electravk
※写真はイメージです

逆に言うと、「100点じゃなかった」「またできなかった」とガッカリしてばかりいると、今の気分が後ろ向きになるだけでなく、未来の可能性まで狭まるということです。

完璧主義の自覚がある人は、自分に厳しくするよりも、ハードルを下げたほうが効率的にレベルアップできるというスタイルを、ぜひ試してみてほしいです。