2023年8月2日、トヨタは新型「ランドクルーザー250」を発表した。自動車ライターの小沢コージさんは「耐久性、悪路走破性を高め、現行モデルよりタフな車になっている。他メーカーはクロカン4WDのプレミア化を進めており、ランクルの原点回帰はブランド価値をより高めることになりそうだ」という――。

公開直後からバズった新型「ランクル」の正体

圧巻、そして別格! まさにそういうフルモデルチェンジに遭遇した気分であります。それは先日公開されたトヨタの新型ランドクルーザー250。発売は1年先の2024年前半とかなり先の話ですがいきなりの注目の高さにビックリ。

新車系Webサイトには速報からディテール分析から価格予想まで多くの記事が並び、小沢の動画チャンネルでもエンジニア直撃だけで約7万回再生されています。(もっとも人気YouTuberにはまったくかないませんが)

キモはまずランドクルーザーシリーズとして異例なほどストロングスタイルな変貌っぷりがあります。今回の新型250、発表タイミング的にはシリーズ中最も都会的でライトデューティとも言われた「ランドクルーザー プラド」の後継にも思えましたが、小沢が会場で直撃したトヨタの中嶋裕樹副社長は「(ランドクルーザーとしての)原点回帰」「プラドの後継ではありません!」と明言。実車も見れば見るほどプラドとは別物でした。

それはまずデザインからで、プラドでは乗用SUV風だった釣り目ヘッドライトは武骨な角形の3連LEDになり、フロントグリルも真四角のキュービック柄が並ぶデザインに変貌。同時に今後どうグレード展開されるかは分かりませんが、プリミティブな丸目LEDも選べます。

副社長「新型250こそ、ザ・ランドクルーザー」

なにより目を引くのはエクステリアです。マッチョに膨らんだフェンダー回りこそイマドキですが全体は直線的でフラット。マジメな話、2年前に出たフラッグシップのランドクルーザー300よりランクルらしいとすら言えます。

ボディ骨格も300で初投入された最新テーラードブランク技術などを使ったGA-Fプラットフォーム。歴代プラドはその時代のフラッグシップランクルとは違うラダーフレームを使うのが常でしたが、明らかにグレードアップされています。

ボディサイズも拡大。全長全幅が大きくなり、全幅はアニキ分の300と全く同じ1980mmに拡大され、悪路走破性を決定付けるホイールベースも歴代ランクルが見つけた黄金比とも言える2850mmに。見栄え以上に、走行性能を重視したサイズ感を手に入れたのです。

再び中嶋副社長に「新型250と2年前に出た300、どちらが本流ですか?」と尋ねたところ、「250こそがザ・ランドクルーザー」と明言。まさしく数10年ぶりに原点回帰したランドクルーザーこそが新型250なのです。