世界最高の職場といわれるグーグルでは、どんな社内コミュニケーションが行われているのか。元グーグルの人材開発責任者で経営コンサルタントのピョートル・フェリクス・グジバチさんは「グーグルでは人に何かを注意するときでも、イタズラ風のメッセージでそれを伝える。風通しの良い社内コミュニケーションが、社員の幸福感につながるという徹底した風土がある」という――。

※本稿は、ピョートル・フェリクス・グジバチ『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

米シアトルのGoogleの建物
写真=iStock.com/400tmax
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グーグルの社員が自分の意見を経営陣にぶつけるMTGの中身

グーグルはアメリカの雑誌『フォーブス』が選ぶ「働きがいのある企業ランキング」で何度も世界の第1位に選ばれています。

その理由のひとつは、社内のコミュニケーションを重視していることにあります。

どの分野の企業でも、従業員や部下が抱える一番の不満は「上司から十分な情報が得られない」、「上司が何を考えているのかわからない」という点にあります。

上司と部下が日常的に意思の疎通を図れなければ、部下は自分がチームの重要な一員であると認識することができません。

グーグルでは、社内のコミュニケーションを充実させることが、部下の幸福感の維持につながる……と考えています。

その象徴的な例が、毎週金曜日の午後に開かれているTGIF(Thanks Google It's Friday)という全社的なミーティングです。

ここでは、社長や経営幹部が壇上にあがり、会社の方向性や新規事業、新商品などについて、全社員に説明をします。

その場には、お酒やおつまみも用意してあり、参加者同士がフランクに議題について話し合うことができますが、ポイントは普段は接することのない経営幹部に対して、ダイレクトに質問ができることです。

「社長の意見は間違っていると思います」
「その判断は正しくない方向に向かっています」

参加者は忌憚きたんのない意見を経営陣にぶつけることができるのです。

こうした厳しい意見に対して、経営幹部が感情的になることはありません。

丁寧なフィードバックを返して、議論を深めようとします。

お互いの意見を交換することによって、全社員が納得して新たなビジネスに立ち向う環境を整えます。

このTGIFという全体ミーティングは、単に社内の風通しをよくするためではなく、会社の考え方や方向性を経営陣と社員が共有することで、さらに生産性をアップさせることを目指しています。