成果を出し続ける優秀なリーダーはどんな対話をしているか。ビジネスパーソン17万人を調査し、AI分析をしたクロスリバー代表の越川慎司さんは「仕事の会話を面接のように『よろしくお願いします』から始めると、テンションが落ち対話が成立しなくなる。できるリーダーほど『丁寧な言語化』と『言葉選び』に細心の注意を払う」という――。
※本稿は、越川慎司『17万人をAI分析してわかった 最強チームの条件を1冊にまとめてみた』(大和書房)の一部を再編集したものです。
1on1の対話は「よろしくお願いします」で始めるな
クライアント43社で「メンバーとどうやって対話をすれば成果を出し続けることができるのか」を見出すべく調査を実施しました。
2.4万人の一般社員の方の匿名アンケートでは、驚くべきことに「よろしくお願いします」で1on1の対話を始めるとメンバーのテンションが落ちることが分かったのです。
その後のヒアリング調査で「『よろしくお願いします』で始めてはいけない理由」が2つ判明しました。
1つ目は「面接・面談」になってしまうという理由です。
アンケートに答えてくれたメンバーに個別ヒアリングをしたところ、次のように発言していました。
「『よろしくお願いします』と上司が言って1on1がスタートすると、人事評価面談のように感じる」。また、20代前半の社員は、「まるで面接のようだ」と答えていました。
「面談・面接」になると、
「まずいことを言うとマイナス評価になるから、あまり話さないでおこう」
「今日は上司の話を聞くだけで守りに徹しよう」
となってしまうようで、対話が成立しにくいのです。
そもそも1on1というのは、部下であるメンバーが主役です。
上司から活力を高めてもらい、フィードバックによって気づきを得て、行動を変えるのはメンバーです。
だから、メンバーに7割以上発言させないといけないのです。
ですから、メンバーが話しづらくなってしまう開始時の「よろしくお願いします」はダメだということです。