生産性の高いチームは何をしているか。ビジネスパーソン17万人を調査し、AI分析をしたクロスリバー代表の越川慎司さんは「調査で『コミュニケーションがうまくいっている』と答えた組織の68%はメールではなくチャットを使い、社内会議に使う時間が24%少ないことがわかった」という――。

※本稿は、越川慎司『17万人をAI分析してわかった 最強チームの条件を1冊にまとめてみた』(大和書房)の一部を再編集したものです。

薄暗い部屋でノートパソコンを使用しながら、スマホでも確認している男性
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できるチームは、会議をする時間が24%少ない

弊社クロスリバーでは「コミュニケーションがうまく取れているチーム」と「そうでないチーム」の違いを明らかにすべく、クライアント企業の22社、68組織497名を対象に調査しました。

匿名のアンケートで「うちのチームはコミュニケーションがうまく取れている」と回答する人が6割以上いた組織をチームAと区分けしました。

一方、「うちのチームはコミュニケーションがうまく取れていない」と回答する人が6割以上いた組織をチームBとしました。

コミュニケーションがうまく取れているチームAと、コミュニケーションがうまく取れていないチームBを比較したところ、図表1のような結果となりました。

チームAはチームBよりも組織内での気遣いが少なく、社内会議に費やす時間は24%も低かったのです。

チームBは「会議のための会議のための会議のための打ち合わせ」を繰り返し、職場の会議室は常に予約でいっぱいでした。

チームAは、社内会議を徹底的に減らし、生み出された時間をメンバーの「教育の時間」に割り当てていました。

別の調査で20代30代のビジネスパーソンは、58%が「残業削減は反対」と回答しており、その理由の1つが「学習時間の確保」でした。

つまり、業務時間中に学習をしたがっていたのです。

チームAは、会議の削減で生み出された時間を研修時間に充てている影響もあり、結果的に離職率が低くなったことは納得できます。