※この連載「高山一恵のお金の細道」では、高山さんの元に寄せられた相談内容を基に、お金との付き合い方をレクチャーしていきます。相談者のプライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください。
「借金」というと、人にあらずというか、すごく暗いイメージがあったのは、今や遠い昔。現在では、キラキラとした爽やかな若者たちが、実は負債に苦しんでいるケースが多発しています。彼らが借金地獄に陥るきっかけとなった「リボ払い」の恐ろしさについて、今日は考えてみたいと思います。
地方から上京して気づいた東京の厳しさ
27歳の派遣社員・竹中綾子さん(仮名)は東京から2時間ほど北にいった地方都市で実家暮らしをしていましたが、コロナの影響でそれまで勤務していた飲食店が閉店してしまったことから、1年ほど前に上京します。
東京での派遣社員としてのお給料は手取り20万円。家賃はなるべく安く抑えたかったものの、女性の一人暮らしなのでセキュリティもそれなりのところでないと……との不安もあり、月8万円のワンルームに落ち着きました。
すると、最低の生活費だけでも15万円はとんでいき、「『東京の生活も結局大変じゃん』ってすぐ気づいたんですよね」と竹中さんは苦笑いしながら話してくれました。そして、将来の不安が募った彼女は、上京後まもなくして「婚活」に走りだすのです。
「高収入のイケメン」を目指し婚活を開始
もともと結婚願望の強かった竹中さん。せっかく東京にいるのだからと、「高収入のイケメン」狙いで活動をスタートするのですが、高い年収の人たちは行く場所も、持っているアイテムも、普通よりはハイエンドな場合が多いわけです。
それまでは新宿駅の地下街で1万円以下のワンピースを購入していた竹中さんも、周りに合わせるかたちで、伊勢丹などの高級デパートで洋服やバッグを揃え始めます。さらに自分磨きをと、エステやネイルサロン、表参道の美容院にも足繁く通い、美容外科で脱毛を敢行するなど、美しさに磨きをかけていきます。
ここで問題になるのは、その支払いです。彼女はそれらをすべて「リボ払い」にしたことで、150万円の借金を抱えることになってしまったのです。