労働集約型ビジネスモデルの終焉を迎え、日本企業は大きな岐路に立たされている。変化の只中にある2023年、飛躍のチャンスをつかむビジネスパーソンの条件とは。人事評価「トップ5%」社員、のべ2万人の言動データを5年にわたり収集・分析したクロスリバー代表の越川慎司さんは「自律型人材になることが最低条件。そのうえで『学ぶ技術』と『セルフDCA』が非常に重要になります」という──。(第5回/全5回)

DAO(分散型自律組織)という潮流

DAO(ダオ)という言葉を聞いたことはありませんか? これは、次の3つの言葉の頭文字を取った略称です。

DAO=Decentralized Autonomous Organization

最初のDはDecentralized(ディセントラライズド)で、中央集権ではなく、全員フラットな関係性であることを意味しています。AはAutonomous(オートノマス)、つまり自主的、自律的を表しています。そして、OはOrganization(オーガナイゼーション)で、組織を意味しています。

日本語にすると、DAO=分散型自立組織のこと。

横断歩道を歩く人々
写真=iStock.com/hxdbzxy
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「自分で考えて動く組織」と「自律型人材」

2023年は、企業において「自走する組織」を求める動きが加速します。

世の中の変化が激しいなか、その変化を即座に感じ取ることができるのは現場の社員です。ですから、現場に裁量権(自由と責任)を与えて、「自分で考えて動く組織」を作らざるをえないという環境の変化がその背景にあります。

こうした自走する組織を構成するのが「自律型人材」です。したがって、2023年は自律型人材を求める企業が急増することになります。

この大きな流れに乗り遅れないよう、準備をしないといけません。そのなかで、大きく次の2つの点を意識することが必要です。