フレームワークを使って物事を考えなくても、普段の仕事や生活に別段、支障はない――。これが多くの人の率直な感想かもしれない。ただ、対極にある「単なる思いつき」の弊害を考えれば、フレームワーク思考の重要性に気づくのではないだろうか。

思いつきで生まれた発想は、第三者に伝わりにくい。自分の中では確固たる根拠があっても、他人にはそれらがどのような思考回路で生み出されたのかが見えず、不要な混乱を招いてしまう。そればかりでなく、思いつきに頼っていると、過去の経験など限られた領域から発想することになるため、領域外のアイデアが浮かびづらい。

(構成=村上 敬 撮影=相澤 正)