業界キーワードCASEで期待値爆上げ

2020年7月1日、米国市場でアメリカの電気自動車(EV)メーカー、テスラの時価総額が一時2105億ドル(約22兆6000億円)となり、同日の東京市場で21兆7185億円だったトヨタ自動車の時価総額を抜いて、自動車メーカーの世界首位に立った。

テスラが開発した電気自動車「モデル3」。
テスラが開発した電気自動車「モデル3」。(Getty Images=写真)

コロナ禍でも、2020年第2四半期(4~6月)の業績が好調(同社初の4四半期連続黒字)だったことからテスラの株価はその後も続伸、20年7月末にはテスラの時価総額は30兆円に達して、22兆円のトヨタを一気に引き離した。

米カリフォルニア州シリコンバレーでテスラが創業したのは03年。調達資金のほとんどを研究開発投資に費やしてきて決算は赤字続きだったが、ここにきてようやく収益化のステージに入ったと目されている。テスラの19年の世界新車販売台数は過去最高の約36万7500台。18年の約24万台から大幅増で、20年は50万台突破を目標に置いている。

EVの販売台数は、テスラが堂々の世界トップだ。しかし、トヨタグループの19年の世界新車販売台数は約1074万台。テスラは30分の1の規模でしかない。トヨタは世界28カ国に50を超える生産拠点を構えているが、テスラの生産拠点はアメリカと中国の上海だけ(21年にドイツのベルリンで新工場が稼働予定)。