アパレルチェーン「ライトオン」が苦境にある。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、アパレル業界は全体的に苦戦しているが、実はライトオンの業績不振は今に始まったことではない。店舗経営コンサルタントの佐藤昌司氏は「2019年頭に打ち出した、アメカジ路線の強化が完全に裏目に出て失敗した」と分析する——。
2019年8月13日にライトオンがプライベートブランド「BACK NUMBER」で発売した“和紙デニム”
写真=ライトオンプレスリリースより
2019年8月13日にライトオンがプライベートブランド「BACK NUMBER」で発売した“和紙デニム”

コロナ以前から既存店売上高は3期連続前年割れ

アパレルチェーン「ライトオン」が厳しい状況にある。既存店売上高は6月こそ前年を上回ったものの、3〜5月は大幅減で、3月が39.1%減、4月が79.6%減、5月が53.1%減と大きく落ち込んでいる。新型コロナウイルス感染拡大に伴う店舗の臨時休業や時短営業、外出自粛が影響したわけだが、それにしても競合と比べて落ち込み幅が大きい。例えばユニクロも3〜5月は落ち込んだが、ライトオンほどではない。

ライトオンはコロナ以前から厳しい状況が続いていた。既存店売上高は19年8月期まで3期連続で前年割れ。続く19年9月〜20年2月期は前年同期比16.5%減と大きく落ち込んだ。期間は違うが、同期は19年8月期(前期比2.4%減)と比べても落ち込み幅は大きく、すでに傷口が広がっていたことがわかる。