コロナ禍はまだ続く。かつては風邪や花粉症の人のツールに過ぎなかったマスクを、今後は老いも若きも年中身につけねばならなくなりそうだ。
著名デザイナーが手掛けたカラフルなマスク群。伊勢丹百貨店が6月にチャリティ販売を行った(オンラインのみ)=2020年6月17日
写真=アフロ
著名デザイナーが手掛けたカラフルなマスク群。伊勢丹百貨店が6月にチャリティ販売を行った(オンラインのみ)=2020年6月17日

マスクが全国民、春夏秋冬くまなく必要になる?

「新型コロナはいったいいつ終わるのか」――日本中がストレスをため込んだ今年2月以降の感染拡大・自粛期間を経て、このモヤモヤした状態がどうもこの先長く続きそうだという共通の認識が醸成されつつある。新型コロナウイルスの完全な排斥がいまだ難しい以上、ウイルスとの共存を目指す“withコロナ”モードが遠からず定着してゆくかもしれない。

今年3月以降、図らずも爆発的な需要増加に見舞われた一般人向けマスクも、一部ドラッグストアなどで再び「1人1箱限定」が継続されているとはいえ、現時点では生産数・価格はそれなりに安定していると言っていい。

しかし、従来と“withコロナ”モードとで違うのは、昨年までは冬から初春・梅雨入り前、風邪や花粉症患者の限定商品に過ぎなかったマスクが、全国民に1年間、春夏秋冬くまなく必要となりそうなことだ。

もちろん、「マスクは不要。コロナなんてただの風邪とどこが違う」という主張にも一定の説得力がある。が、日本社会の同調圧力は、外出自粛という一見“あなた任せ”モードですら、罰則のある他国のロックダウンと大差ないプレッシャーがある。そもそも、マスク着用には自衛のためではなく、他者への感染防止という立派過ぎる名目がある。今後ノーマスクを貫くのは、受動喫煙を嫌悪する嫌煙派のような周囲の冷たい視線を覚悟せねばなるまい。