新型コロナよりも恐ろしい感染症

7月中旬、東京都では新規感染者が200人を超える日も出るなど、“第2波”への警戒感が強まっている新型コロナウイルス感染症。いまだ予断を許さない中、マスクメーカー関係者からは、「コロナは良い予行演習になりましたね」という不気味な予言が聞かれる。

彼らは何も、いたずらに市民の恐怖心を煽るつもりではない。新型コロナウイルス感染症以上に発生を恐れている感染症の存在があるからだ。

それは、強毒型の新型インフルエンザ感染症の登場であり、鳥インフルエンザ(H5N1型)である可能性が示唆されている。

そもそも新型インフルエンザにはどのような分類があるのだろうか。2008年に世界銀行は下記のような図表をまとめている。世界の死者数が5000万人ともいわれる過去最悪の被害をもたらしたスペイン風邪ですら、強度の「弱毒性」で致死率は2~2.5%。関係者が恐れているのは、最下部の新型インフルエンザの発生で、まだ社会が経験したことのない「強毒性」であり、致死率は5~15%にものぼると推定されている。

新型コロナウイルス感染症の致死率は0.2%未満とされていることからも、下図表にあてはめれば軽度から中度の「弱毒性」に位置づけられると想定される。

H5N1 鳥インフルエンザは鳥の間で感染を続けており、鳥から偶発的に人間や豚へ感染することを繰り返すことで、人間に感染する強毒型のウイルスが誕生する懸念がある。かねて「いつ出現するか、分からない」と専門家から警鐘が鳴らされてきた。その懸念は当然、今この時にも消えてはいないのだ。

国は被害想定を、人口の4分の1である3200万人が感染、入院患者53万人から200万人、死亡者17万人から64万人としている。