親父ギャグを交えて「お、ねだん以上。」の話し方

北海道のインテリア専門店であった「ニトリ」を全国チェーンに育て上げ、新型コロナウイルスの感染防止による外出自粛をものともせず、売上高や利益を伸ばし続け、小売業界の風雲児として改めて脚光を浴びているのが、創業者でもある似鳥昭雄・ニトリホールディングス会長だ。

ニトリホールディングス会長 似鳥昭雄氏
ニトリホールディングス会長 似鳥昭雄氏

ところがハリウッド大学院大学教授の佐藤さんによれば、カリスマ経営者という世間のイメージとは裏腹に、「気さくで、親しみやすい北海道のおじさん」といったキャラクターなのだそうだ。話しぶりも庶民的で、「誰からも好かれ、敵をつくらないタイプですね」と佐藤さんは評する。

佐藤さんは、国際パフォーマンス学会で似鳥会長に講演をお願いしたところ、「創業した当時は知名度が低く、信用もまだなかったので、1店舗しか営業していなかったのに、看板に『支店』と表示し、お客さんには『東京のほうに本社があります』などと適当に説明して、会社を大きく見せようとした」といったエピソードが飛び出し、深く印象に残っているそうだ。

「確かに客観的に見れば褒められた話ではないものの、そうした話も包み隠さず、オープンにしてしまうところが正直で、似鳥さんの飾らない人柄を表しています。そして、聞いている人の心を鷲摑みにしてしまうのです」と佐藤さんは話す。