在宅勤務でも「働かないオジさん」はやっぱり働かない
想定外の事態に頭を抱えている人事関係者も少なくない。前出の広告業の人事部長は今の実態をこう吐露する。
「会社としては日々適切な時間管理をしながら仕事の内容と成果をチェックする必要があります。しかし、管理職が自分の仕事に追われて部下のマネジメントできない状況が続いているのが実態です。スカイプやZoomを使っていると家の中が見えてしまい、プライバシーの保護をどうするかという課題も浮上しています。また、いわゆる働かないオジさんや問題社員が自宅でまったく働かないなど、想定外のさまざまな問題が水面下で発生しています」
こうした問題にどのように対処していくのか、具体的な解決策は乏しい。
仮に厳密に仕事の成果をチェックしようとプレッシャーを与えれば「在宅勤務の長期化で相当なストレスを与えることになりかねず、在宅勤務の新たな労働問題に発展しかねない」(広告業の人事部長)と危惧する。
出社と在宅勤務を交互に繰り返す平時のテレワークと違い、非常時のテレワークの問題点をどのように解決するのか、企業は新たな課題を突きつけられている。