熟年層のラブホテル利用はなんら驚くことではない

近年、熟年層のラブホテル利用が増えているが、これには2つの理由があると筆者は考える。

奈良県にある昭和レトロラブホテル「五條アイネ231号室」(筆者撮影)。
奈良県にある昭和レトロラブホテル「五條アイネ231号室」(筆者撮影)。

1つは、ラブホテルを日常的に使っていた層が、40年ほど経過した今もそれなりに利用しているためだ。若い世代がラブホテルを使わなくなってきている現状から、相対的に熟年世代の利用が目立っているとも言える。そのため、女子会など、パーティー利用を可能にしたり、地元のお祭り会場として客室を開放したり、インバウンド客を取り込むためにホームページを多言語表記にするなど、多様なニーズに応える企業努力をしなければ勝ち残れない状況になっている。一部ではあるが、LGBT客の利用にも理解を示しているラブホテルもある。

今どきの60代、70代はまだまだ元気だ。80代になっても、自営業で奮闘しているシニアもいれば、定年後も警備員やビル清掃などの仕事に就いたり、再雇用制度で働いたりしているシニアもいる。個人差はあるが、体力的にも精神的にも現役バリバリ、なかには年金でラブホ通いが趣味というおじいちゃんもいる。

不倫や浮気目的ではなく、パートナーに先立たれてしまったケースも多い。年をとったからといって、性欲がなくなるわけではない。アプリやインターネット掲示板を駆使して女性と出会うエネルギッシュなシニア男性も目立つ。