長時間残業上等で有休は取らない昭和上司が働き方改革指揮する不毛

残業時間の上限規制は管理職など管理監督者には基本的に適用されない。だが、4月に施行された「年5日の有給休暇の時季指定付与義務」は管理職も適用される。年5日を下回る社員がいれば1人につき30万円の罰金を支払う必要がある。じつは企業が最も恐れているのは一般の社員よりも管理職が有休を5日取得しないことだ。

前出の食品メーカーの法務部長はこう語る。

「一般社員の有休取得率は徐々に高くなっていますが、管理職になると、5日以上取得している人は半分もいません。今の40代以降の管理職は長時間残業なんて当たり前、有休という文字はないという働き方をしてきた人が多い。また、そういう働き方をしてきた人が今は役員になって『働き方改革』の旗を振っている。そういう人の言うことをまともに聞くとは思えません」

同社では現在、管理職を含めて、上司が本人の希望を聞いて年5日の休みを取る時期を指定し、取得を推進している。だが、それだけで5日取得がクリアできるとは考えていない。

「絶滅危惧種」一掃するには、まだ時間がかる

「10月から12月、そして翌年のバレンタインにかけて繁忙期を迎えます。工場では人手が足りないために、いつも本社の管理職が土・日を含めて総出で応援にいくのが習わしになっています。それはそれで良い企業文化といえますが、土・日に出勤すると他の日に代休を取らなくてはいけません。法的期限である来年の3月末にかけて有休取得者が少なくなる可能性もあります。そうならないように取得日数が不足している管理職は『出社禁止』の業務命令を出すことを検討しています。それでも出社すれば、就業規則上の罰則も適用されます。最後は非常手段に訴えるしかありません」

休め、と会社が言っても聞かずに出社してくる。そんな昭和的な社員がまだいることに驚く人がいるかもしれない。だが、彼ら・彼女たちは決して「絶滅危惧種」ではない。そういう人たちを一掃するには、まだまだ時間がかかるだろう。

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