※本稿は、中野信子『脳科学で解き明かすあの人の頭のなか』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
理解できないあの人の言動も脳で9割わかる
「あの人は一体なにを考えているのだろう」
「どうして、いつも私に冷たいのかな」
「もっと親しくなるにはどうしたらいいのだろう」
人間は社会的存在ですから、どうしても周囲の人のことが気になります。誰だって人から嫌われたくないし、人に認めてもらいたいし、人よりちょっとだけ上に立ちたいものです。
あなただけでなく周りの人も、みんながそうであるだけに、人間関係は難しいもの。
結果、いらぬ探り合いをしたり、気をつかいすぎたり、ときには根も葉もない噂話に気を揉んだりして、互いの溝を深めていきます。
私たちが人間関係に心を痛め、混乱してしまうのは、このように根拠のない臆測によって人を判断してしまうからです。
では、どうすれば人のことがわかるのか。
人間の心も考えも、すべて脳の働きによって生じているという事実を知れば、不確かな臆測に惑わされることは少なくなるかもしれません。
人の言動は脳によって支配され、動かされているからです。その仕組みの一端を、できるだけわかりやすく解説していきます。
脳科学をもとに人を見て、相手と接することができれば、今までよりずっと深いところで人間を理解する助けになるはずです。
「かわいい」をウザがる人は脳に問題あり?
「かわいい」ものにうっとうしさを覚える人は、愛着形成に問題があるかもしれません。
脳下垂体で分泌され、愛着形成に関与する「アルギニンバソプレッシン」という物質があります。
この物質を受けとる受容体の数には個人差があり、少ないと人に対する愛着形成がされにくいことがわかっています。
一般の人には「かわいい」と感じられるものも、愛着形成に問題がある人にとってはそうではありません。
そのため、人が見せてくれるペットの写真を「うざい」と感じたり、はては、我が子すら邪魔に思えるということが起こるのです。




