チームでパフォーマンスを出すために、人間関係を良くすることに一生懸命になっていませんか? もしかしたらそれは、順番が逆かもしれません。
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人間関係を気にしすぎて疲弊する管理職

われわれがコンサルティング現場で出会う女性管理職の中には、「和」を重視し、人間関係の良好な状態を維持することに注力しすぎるあまり疲弊している人が数多くいます。ここで言う「和」とは、人間関係が良い、単純に仲が良い、といった意味を指します。今回は、この集団の中に存在する和というものについて考えていきたいと思います。

とくに女性が多い職場を束ねている女性管理職から、こんな声を聞くことがあります。

面接していても、女性の方が人間関係を気にしていると思います。退職理由として人間関係をあげる女性は男性よりも多いようです。人間関係の不和は組織を壊すと思うので、注意しています。
女性は「仲良く~」「相性」「一緒に~」が好きだと思います。ここに力を入れていかないと、組織内の和が乱れてパフォーマンスが落ちると思います。とにかく、人間関係を良好に保つことを最優先にマネジメントしています。部下一人ひとりのプライベートや好みを根掘り葉掘りきいてみたりして、声がけしたり、フォローしたりしています。

人間関係が良いとパフォーマンスは上がるのか

そもそも、和と組織パフォーマンスの因果関係というのは存在するのでしょうか。当然、上記のようなコメントを述べているリーダーたちは、関係すると認識しているからこそ、和の形成に注力し、メンテナンスを怠らないよう日々腐心しているわけです。

「ウチの部署は雰囲気があまりよくなくて」とか「ランチも楽しくなくて」といったコメント、ありますよね。「ウチの部署、AさんとBさんの仲が悪くてうまくいかない……」といったものも聞かれます。

でも会社は、そもそも仲良くするために集まっている場所ではありませんし、優秀なリーダーほど和を優先しません。和がないから力が発揮できないというのは明らかに言い訳、つまりは免責思考の表れということになります。

これまでの人生において、集団で目標を達成したり、目標に向かった経験のない人たちはイメージしにくいかもしれないですが、集団において仲良くなるという状態は、「結果的に生じる状態」であるべきなのです。それぞれが与えられた責任を果たしながら目標に向かっていく過程で、徐々に信頼関係がうまれて仲良くなっていく、というのが自然な状態ということです。つまり、順番は①和の形成→②パフォーマンス向上、ではなく、①パフォーマンス向上が先にあって「結果的に」②和が形成される、ということなのです。