憂鬱な帰省の快適度を高める方法はないか
話し合いで解決できる問題と、そうでない問題。この2つが世の中にあるのは、誰もが知る通りです。後者の代表格が、家族間の問題。長年の感情や事情などがからんで、道理では通らなくなるのが家族同士の事柄です。
年末年始の帰省シーズンが楽しみでならない、というような人は幸せです。たいていは、年をとるにつれて億劫になり、惰性になる。誰しもがいちどは「面倒くさい」と思うのが実家への帰省で、義理の実家であればなおさらです。でも、そんなことは言えないし、言っても不幸せになるのは結局自分自身。そんなの当たり前です。
ただ、年末年始は年にいちどきり。その時間を憂鬱なものではなく快適度高めに変えることもじつはかなり可能です。手段は、言葉です。
普段なかなか会えない両親や義両親に「ありがとう」という感謝の気持ちを伝えるには、年末年始はもってこいの場なわけです。言ってみれば、少し照れ臭いことができる場が用意されているわけですから、そんなときこそ「役者」になりきって、おおいに感謝のフレーズを奏でてみればいい。「あれ? 今年は素直だね」なんて相手が思えば空気は和らぎ、そこへますます感謝の別バージョンを連発すれば、いつもの年とはまた違った、ちょっぴり大人な新年をむかえられます。要は、「ありがとう」変奏曲の達人になればいい。感謝はその鍵です。
近すぎるほど足りなくなる感謝
長年の感情がもつれあった間柄でも、自然に感謝を伝えられる方法を2つ3つご紹介しましょう。
1 思い出話を交えて感謝を伝える
子どもの頃のエピソードを引き合いに出すことで、自然に感謝を伝えられます。
●例「昔、お母さんが作ってくれた○○が本当に美味しかったなぁ。あれがあったから今も料理が好きなんだよ。ありがとうねー」
2 些細な瞬間を捉えて言う
家事を手伝ったり、一緒にお茶を飲むときなど、日常のふとしたタイミングに感謝を口にするのは自然です。
●例「こんなにきれいにしてくれてるんだね、いつもありがとう」
3 健康を気遣う形で伝える
健康や生活を気遣う言葉に感謝を織り交ぜると自然に聞こえます。
●例「いつも元気でいてくれるから安心するよ。本当にありがとう」
4 両親の好きなことを一緒に楽しむ
両親が好きな映画や食べ物、趣味に付き合いながら、「一緒に過ごせる時間が本当にありがたい」と言葉にすると感謝が伝わります。
●例「こうして一緒に過ごせることが嬉しいよ。いつもありがとう」
大切なのは、形式や言葉よりも「心を込めること」。近すぎる関係ほど足りなくなるのが感謝です。ですから逆に言えば、ちょっとした一言でも、両親や義両親にとっては何よりの贈り物になります。失敗してもやり直せるのが家族のいいところ。ぜひ日常の中で感謝マシーンになってみてください。