先日、私は今話題の映画、『ラ・ラ・ランド』を観た。黄色いドレスを着た女性と、白いシャツにネクタイをつけた男性。2人が夜景の見える場所で踊る場面は、『ラ・ラ・ランド』の象徴的なシーンであり、誰もがあこがれる「ハリウッド」のイメージそのものである。
アカデミー賞にも多数ノミネートされた『ラ・ラ・ランド』。エマ・ストーンさんが主演女優賞に輝いたほか、監督賞、作曲賞、撮影賞など、6部門の賞に輝いた。作品賞では、1度『ラ・ラ・ランド』が受賞したとアナウンスされたものの、実際には手違いでほかの作品が受賞。そんなトラブルも含めて、大きな話題を呼ぶ作品となった。
ところで、私は主演の2人が夜景を背景に踊るシーン以外は、ほとんど事前知識なしに『ラ・ラ・ランド』を観たのだが、驚いたことがあった。
この作品が、『セッション』のデイミアン・チャゼル監督によるものだと途中で気づいたのである。
2014年に公開された『セッション』は、ジャズ・ミュージシャンを目指す青年が、鬼教官に徹底的に鍛えられる様子を描いた映画である。チャゼル監督自身の経験に基づく脚本だという。低予算ながら、教官役を演じたJ・K・シモンズの迫力の演技(アカデミー助演男優賞を受賞)もあって、大いに評判を呼んだ。