仕事や家庭の悩みはすべて解決できる! 京セラ、セブン&アイ・ホールディングス……。世界に名だたる経営者のDNAが息づく「門外不出のノウハウ」を紹介します。

問題:努力しているのに売り上げが下がってしまった。なにから改善したらいい?

京セラセオリーなら――経費を最小に

京セラやJALでは、「売上を最大にし、経費を最小に」というフィロソフィが組織に浸透している。売り上げを増やして経費を減らせば利益が増えるというのは、経営の基本中の基本だ。ただ、これを現場レベルで意識し、実践している会社は多くない。

「かつてのJALもそうだった」と明かすのは、客室乗務員歴20年超の瀬貫氏だ。

「コストを考えるようになったのは稲盛和夫会長(現・名誉顧問)がきてから。たとえばのどが渇いたときにも機内のペーパーカップを使わず、自分たちで小さな水筒とコップを持ちこむようになったし、機内で使うごみ袋も、丸ごと捨てるのではなく、中のごみを備えつけのゴミ箱に移して再利用するようになりました。一つ一つは小さな節約ですが、それらの積み重ねが利益につながることをいまではみんなが理解しています」

実践されているのは、経費の最小化だけではない。機内販売も、現在は工夫をしてやるようになった。

「積極的にやるといっても、無理におすすめしては不愉快な思いをさせてしまいます。私たちにできるのは機内販売の雑誌をお読みのお客様にさりげなくお声がけするくらいですが、お客様から商品説明を求められたときにお応えできるようにあらかじめ勉強したり、化粧品のサンプルを自分で使ってみるといった事前準備は可能です。こういったことをやるようになったのは、やはり『売上を最大にし、経費を最小に』という明快なフィロソフィの影響が大きい」