仕事や家庭の悩みはすべて解決できる! 京セラ、セブン&アイ・ホールディングス……。世界に名だたる経営者のDNAが息づく「門外不出のノウハウ」を紹介します。

問題:ノルマが高すぎて、正直つらい。どう考えて挑むべき?

京セラセオリーなら――スキル磨きは未来進行形

上司から高すぎる目標を提案されてあぜんとするケースがある。ビジネスパーソンは、いっけん無謀に思える目標をどう受け止めるべきか。

京セラの山口社長は、高い目標設定に肯定的だ。

「いつかエベレストに登るんだと目標を掲げれば、それが潜在意識に入ってきて、いずれ本当に登れるようになります。実際、京セラは京都の小さな町工場にすぎませんでしたが、創業者の稲盛が『日本一、世界一に』と言い続けているうちに、本当にある分野において日本や世界で一番になりました」

しかし、あまりに高い目標だと、どうせ達成できるはずがないという諦めにつながらないだろうか。

「現実離れしているように感じるのは、現在の自分の力を基準にしているからです。京セラには『能力を未来進行形でとらえる』というフィロソフィがあります。能力は進化するものであり、いまはできないことでも、1週間後にはできるようになっているかもしれません。そう考えれば、どんなに遠い目標もいずれは達成できると信じられるでしょう」

期日までに目標を達成できる見込みがなくても、途中で投げ出さないことが大切だ。

「目標達成をゼロかイチかで考える人は、できないと思った瞬間にすべてを放棄してしまいがちです。目標達成が難しければ、期日までに何割ならできるのか、期日をどれだけ延ばせば達成できるのかを考えて、上司に相談すればいい。目標を再設定してもらえるかもしれません」