仕事や家庭の悩みはすべて解決できる! 京セラ、セブン&アイ・ホールディングス……。世界に名だたる経営者のDNAが息づく「門外不出のノウハウ」を紹介します。

問題:休日に自宅で仕事をしていたら家族から白い目で見られた。どう思えばいい?

京セラセオリーなら――家族は「お客様」である

家事や育児を妻に押しつけたり、家族サービスがおろそかになって、いつしか家庭内によどんだ空気が。仕事と家庭の両立は、男性社員にとっても悩みの種だ。京セラの山口社長は「ポジションによっては仕事優先が当たり前」と指摘する。

「若い時期はオンとオフのメリハリをつけて、仕事から離れたときは思いきり楽しめばいいでしょう。しかし、マネジャーになればそうはいきません。弊社は海外もあるので、24時間365日、絶えず新しい情報が入ってきます。それに対応できなければ、ビジネスに勝てません。オフに旅行に行くのもいいですが、いつでも連絡を取れるようにしておかなければいけないし、情報のチェックも必要です。日本人は働きすぎといわれていますが、海外も同じ。マネジャークラスになれば、いつでもどこでも仕事をしていますよ」

しかし、休暇中にも仕事をして家族に愛想を尽かされてしまったら、かえって仕事にも悪影響が出そうだ。

「ずっと仕事のことを考えているといっても、24時間拘束されているわけではないでしょう。その気になれば家事を手伝ったり、家族と一緒にご飯を食べることもできるはずです。家族との関係がうまくいかないのは、優先順位をつけるのがヘタだから。たとえば妻が爆発寸前の表情をしていたら、何を差し置いてもどこかに連れていって機嫌を取らなくちゃダメですよね。要は、家族もお客様だと思えばいい。家族がいま何を求めていて、そのニーズの緊急度や重要度はどれくらいなのか。それらを総合的に判断して適切なタイミングで対応すれば、家族にベったりでなくても、いい関係を築いていけるのではないでしょうか」

状況を見極めて臨機応変に動くのは、仕事においても求められること。それを家庭でも発揮すれば、家族の不満が溜まることを防げるはずだ。