口は悪いのに品がある。三井さんは東京に絶対いないタイプの、不思議な魅力を持つ方です。飲みに行けばテキーラばかり。豪快さの一方で、参拝客には神社の由来を穏やかに語り掛け、能登の復興にも尽力されています。

石川県能登半島の氣多大社にて。

初めてお会いしたのは、知人が開催したゴルフコンペ。私はM&Aでグループに加わった「ブランドオフ」の経営再建を託され、金沢に赴任していました。共に学生時代は陸上に打ち込んだ体育会系同士で、すぐに意気投合したのを覚えています。

正直なところ、当時の私はニューヨークや東京といった「グローバル」な市場こそ重要だと思っていました。それが、三井さんと接する中で、考え方はガラリと変わりました。金沢には、地域の人が互いに支え合う濃密なコミュニティが代々続いていて、それが経済の強さになっている。三井さんと氣多大社は、その中心を担っています。

(構成=加藤圭悟(本誌編集部) 撮影=石川幸史)