能登半島地震から半年が過ぎた夏、私たちは珠洲市の図書館の一室で初めて顔を合わせました。被災地支援として始まった縁ですが、篠原さんには教えていただくことばかりです。
最初にお話しして驚かされたのは、ご自身も被災し、仮設住宅を待つ過酷な状況でも、悲壮感が全くなかったことでした。「自然は牙を剥くけれど、癒やしもくれる。震災の夜の星空に救われた」。震災で窯が崩れても前を向き、新たな窯を設計。今では立派に再建されています。
「土と戯れ、無心に形を作っているときが一番楽しい」と語る一方で、「壊れないものは美しくない」という哲学を併せ持つ篠原さん。自然にも作品にも、美しさと壊れる可能性が常に存在している。その矛盾を、肯定的に受け入れているのです。
篠原さんは一見すると寡黙で職人肌の方に見えますし、実際、無心に造形するのが好き。しかし、珠洲焼という伝統を守っていく情熱を持っていて、そのために仲間の職人さんとの交流も大事にされています。
自然の美しさと脅威を受け入れ、自身にも静と動を同居させている。篠原さんの作品に迫力と緊張感を生み出しているのは、この絶妙なバランスではないでしょうか。
「退職したら弟子入りしたい」という願いに篠原さんは「お待ちしております」と微笑みを返してくれます。きっかけは支援でしたが、篠原さんのような感性を持つ方と繋がれたことが何より嬉しい。この繋がりを大切にしていきたいですね。(濱田)
※本稿は、雑誌『プレジデント』(2026年2月13日号)の一部を再編集したものです。
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(構成=堺 祐希(本誌編集部) 撮影=石川幸史)
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