全国1位のダイエーが客を呼んだ
このモリシアが入っていたこの建物には、かつて大勢の買い物客が集まっていた。旧第一中学校の跡地に「習志野サンペデック」が開業したのは1978年10月14日。百貨店の髙島屋と総合スーパーのダイエーが入り、専門店や飲食店、駐車場も備えた。館内には市の習志野文化ホールもあり、買い物のほか、コンサートなどを楽しむ人も訪れる駅前施設だった。
前編で紹介したように、日経流通新聞が1990年8月25日付で報じた1989年度のスーパー店舗別売上高ランキングでは、ダイエー津田沼店が279億8100万円で全国1位だった。「売り上げ日本一」は、この年の店舗別ランキングを指している。
南口で洋菓子店「ラ・シェール」を営む店主によれば、ダイエーホークスの優勝セールが開かれると、店の前の道は大渋滞した。車列はマロニエ通りの先の国道の方まで延びたという。
ダイエーには、近隣住民だけでなく、セールを目当てに遠くからも買い物客が訪れた。その集客力は、店内だけでなく、南口周辺の人や車の流れにも影響するほど大きかった。
店を替えても、設備の古さは残った
遠くからも客を集めていたダイエーも、やがてこの建物から撤退した。髙島屋が1988年に閉店したのに続き、ダイエー津田沼店も2005年11月にいったん閉店した。ただ、建物自体はその後も使われ続けた。
2008年3月、施設は改装を経て「モリシア津田沼」として営業を再開し、核店舗にはイオンが入った。2017年にはイオンリテールがダイエーへ店舗運営を移管し、ダイエーの名前が戻った。
建物は地上12階、地下3階。野村不動産グループが2024年に公表した資料によると、延床面積は約9万4000平方メートルある。これは売場だけの面積ではなく、文化ホールや駐車場なども含む建物全体の広さだ。
2008年の改装では内外装が新しくなった。一方、モリシアの公式サイトによると、1978年の完成後、設備などの大規模な改修は行われてこなかった。運営会社も、2025年3月30日の閉館理由として設備などの老朽化を挙げている。入居する店や内外装は変わっても、古くなった設備は残った。営業を続けるには、設備の改修が必要になっていた。

