JR津田沼駅前にある商業施設「モリシア津田沼」は、2025年3月に閉館し、現在も商業部分は閉鎖されたままだ。かつて売り上げ日本一のダイエーが入っていた駅前一等地の建物だが、52階建ての再開発計画は延期され、営業再開も低層部の一部にとどまる予定だ。周辺には新しい住宅地が広がり、暮らしやすい街になっているのに、なぜこのような事態になったのか。街歩きライターの杉浦圭さんが、その背景を探る――。(後編)
閉館から1年、駐車場だけが再開
2026年9月2日の午後1時、JR津田沼駅南口のデッキに出ると、正面に横長の建物が見えた。駅から徒歩約2分の「モリシア津田沼」だ。かつて髙島屋とダイエーが入っていた商業部分は閉鎖され、建物の外周には工事用の柵が並ぶ。併設する習志野文化ホールも、2023年4月から休館している。
モリシアが閉館したのは2025年3月30日。施設に直結する立体駐車場は約1年後の2026年4月に営業を再開し、取材した9月2日の昼も利用できた。しかし、買い物をするために館内へ入ることは、まだできない。
野村不動産は改修工事を進め、2028年秋ごろに商業部分の営業を再開する予定だ。ただし、再開するのは地下1階から地上2階までの低層部の一部などで、営業期間も約10年とする方針だ。予定どおり再開しても、閉館から約3年半が経過する。
建て替えるはずだった施設を、時間をかけて改修し、一部だけ使い直す。野村不動産はなぜ、駅前一等地にある施設を建て替えることも、全面的に営業を再開することもできず、こうした方針を選んだのか。


