医師として覚える強い危機感
自民党と日本維新の会が連立したことで、この流れはさらに強まることが予測されます。
じっさい、2019年に厚生労働省が選定療養の追加候補を公募したさいに、予約診療ではない通常外来でファストパス・チケットを購入した患者について順位を早めて優先診療する場合の料金徴収を可能とすべき、との提案が出されたことがあります。
当時は結果的に採用には至りませんでしたが、一度机上にのった案が再び持ち出される可能性は、つねに考えておくべきでしょう。
したがって、現行制度下での「医療版ファストパス」も、反対者が懸念しているとおり、潮目がかわれば「来院済みの患者さんを差し置いて、お金のある人が、その場で料金を払って順番を繰り上げる」システムに「変革」されていく可能性も否定できないのです。
今回の「医療版ファストパス」について、そもそもメディアが、外食産業やテーマパークでの順番待ち繰り上げと、医療機関でのそれとを同列で報じた事実、そしてそれを歓迎する声が少なからずあることに私は強い危機感をおぼえました。
その一方で、今の日本に「たとえ医療であっても、お金がある人が優遇されるのは当然」と考える人がいったいどれだけいるのだろうか、今後日本がそんな社会になってもいいという意見が多数派なのか、ということについても、医師として非常に興味があるところです。
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