簗和生農林水産相が、衆院選で自身を支持しなかった地元自治体の道路予算を「大幅にカットした」と発言したことが問題となっている。東北大学特任教授で人事・経営コンサルタントの増沢隆太さんは「重要なのは、問題が起きた後にどう説明し、どう事態を収束させるかである。今回のようなケースは政治家だけではなく、企業の不祥事でもよく見られる」という――。
記者会見を取材するジャーナリスト
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内閣改造から2週間での不祥事

政治家の失言や不適切発言が問題になるたび、「またか」と感じる人は少なくないでしょう。

本当に重大かつ深刻なのは失言したことだけでなく、問題が起きた後の対応の成否です。簗やな和生農林水産大臣の「予算カット」発言をめぐる状況は、その典型に見えます。

簗氏が今年5月、地元・栃木県で行われた自民党支部の会合で、同県那須烏山市と那珂川町の2026年度の道路予算を「大幅にカットした」と発言したという週刊誌報道があったのが9月30日。簗氏は10月5日に発言を撤回して謝罪する一方、国交省側に予算削減を働きかけた事実はないと説明しています。

大臣辞任も否定しており、9月の内閣改造で簗氏を初入閣させた高市早苗首相の任命責任が追及される事態に発展しました。

「誤解を招いた」「回答は控える」はタブー

なぜ、同じような失敗が繰り返されるのでしょうか。私は、本人の資質というより、リーダーという立場そのものに潜む落とし穴に落ちたのだと考えています。

危機管理としての謝罪には鉄則があります。事実は早く認め、言い訳・他責をしないことです。そして使ってはいけない言葉の代表は「誤解を招いた」と「回答は控える」です。

前者は「悪いのは勘違い(誤解)した側」という意味になり、後者は「悪事を隠したい」と映るからです。

簗氏は、この両方を使いました。報道当初は大臣就任前の活動であることを理由に回答を控える姿勢でしたが、10月2日の会見では「少し誤解を生むような発言」だと釈明しています。ANN NEWSによると、約20分の会見で20回も回答を控えたそうです。