国会の戦い方を「忘れてしまった」

もしかしたら中道は「我々は『提案型野党』として現実の政策実現にコミットしている。『たしかな野党』とは違う!」と反論したいかもしれない。

だが「提案型野党」とは、政府・与党の案を少しばかり「手直ししてもらう」ことで、自らも政策実現に関与したつもりになって満足する(そしてその政策の責任は自民党に押しつける)ことであり、自民党が政権政党であり続けることを前提にした「万年与党」的な発想だ。かつて野党第1党を目指しながら諦めて与党に転じた維新や「維新に続け」と与党にすり寄る国民民主党の路線と変わらない。

自らの政権を作って政策を実現する強靱な意思を持たず、自民党政権の継続に依存している時点で、実は「提案型野党」も「たしかな野党」も大した違いはないのではないか。

中道は立憲民主党と公明党の衆院議員の合流によって生まれた政党だ。旧立憲勢力は、外部有識者とやらの無責任な「批判ばかり批判」に萎縮し、またも「提案型野党」の呪縛にとらわれて安易に付帯決議案の修正を求め(それを蹴られても賛成したわけだが)存在感を失った。野党第1党としての国会の戦い方を「忘れてしまった」と言える。

「政権の選択肢」への第一歩すらあやしい

また、旧公明党勢力は、自民党との連立時代に培った「政権の内部で自民党に譲歩を求める」という政治手法から、どうも抜けきれていない。野党第1党としての国会の戦い方を「知らない」と言える。

公明党本部
公明党本部(写真=あばさー/PD-self/Wikimedia Commons

両党の強みが掛け合わされたのではなく、弱点が増幅してしまった形だ。過去の自分たちのあかを落とし、政権与党の一員でも他の中小野党でもない「野党第1党固有の役割」を、これを機に改めて考えてほしい。

「『野党第1党固有の役割』と言われても、議席が少なすぎる現在の中道に『政権の選択肢』など現実的ではない」という声も聞こえそうだ。確かに同情の余地はある。

だが、中道が「いつか自民党に代わる政権の選択肢となる」と地道に訴え、「自分たちは自民党とは何が違うのか」を明確に示して国民の共感を得ることができなければ、国民はやがて中道を、野党第1党ではなく「他の中小野党と同列の存在」とみなすようになる。そうなれば、小選挙区制における野党第1党のスケールメリットは失われ、党勢拡大は相当困難になる。「政権の選択肢」への第一歩すら踏み出せなくなるかもしれない。

そのことへの危機感が、今の中道にどれだけあるのだろうか。

「今は戦わず力をためる時だ」などと言える時間的余裕は、中道にはもう存在しない。小川淳也代表ら中道執行部は、そのことを肝に銘じて行動してほしい。

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