「町のそば店」だから業界1位になれた
さらに、そばチェーンの多くが、工場で製麺したものを店舗に運んでいるが、ゆで太郎システムが運営している店舗では、すべての店舗で製麺機を使って自家製麺を行っている。しかも、その製麺機は客から見えるところに設置されている。
「私が『製麺機がお客さんから見えるようにする』と言ったら、信越食品の水信さんからは反対されました。『製麺機を使っているのを見られたら恥ずかしい』と言うんです」
昔気質の水信氏にしてみれば、そばの王道は手打ちで、製麺機を使うのは邪道だと思えたのかもしれない。信越食品でも手打ちではなく製麺機を使っていたようだが、職人が手打ちしていないことに負い目があったのか、客から見えないところに設置していたという。個人経営でやっているそば店の多くも製麺機だが、やはり客から隠している。それを池田社長は、あえて「見せる」ことにこだわった。
「だって、麺ができるところが見えるなんて楽しいじゃないですか。とくに子どもたちは、熱心に見ています」
「町のそば店」のレシピにこだわり、スピードよりも味を優先する。職人の技術をシステム化しながらも、「美味しい日本そば」のレシピを守り抜くことこそが、ゆで太郎が業界1位へと駆け上がった最大の秘訣なのだ。


