定年後も人に好かれる人にはどんな特徴があるか。漫画家の弘兼憲史さんは「前の肩書きにしがみつく人は、周囲から敬遠される。60代からは謙虚さ、見た目の若さ、家族への思いやりが大切だ」という――。(第2回)

※本稿は、弘兼憲史『「まだ働かなきゃダメなんですか?」60歳からでもバリバリできる仕事力』(主婦と生活社)の一部を再編集したものです。

東京の路上で日本人ビジネスマン
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偉い人ほど「ありがとう」を忘れない

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」は、僕の座右の銘です。僕がこのことわざを意識するようになったのは30~40代の頃、名門ゴルフ場でゴルフをするときに一緒に行った大企業の社長さんの行動を見てからです。

その社長さんはとても偉い方なのに、キャディさんに敬語を使っていました。「ありがとうございます」と言ってお礼もきちんとされていました。それを見たときに、簡単なことですが、「偉くなった人はこうなるんだ」と衝撃を受けました。

後日、ファミリーレストランで見かけた年配の人が、ものすごく偉そうに「水をくれ!」とスタッフの方に命令をしていました。おそらく、大企業の社長さんはファミリーレストランで水をもらっても「お水を持ってきてくれてありがとう」と言うと思うのです。

このような場面に触れて、しみじみと「実るほど頭を垂れる稲穂かな」と思いました。偉い人であればあるほど、謙虚な姿勢と出会ったときのギャップを感じさせます。

「一見怖そうなのに偉そうにしていない。なんて腰が低いんだ」

このようにますます株が上がり、評判も広がることでしょう。

『会長 島耕作』に出てくる三舞代議士は、高圧的な態度をとって顰蹙ひんしゅくを買いました。そのおかげでうまくいくはずだったプロジェクトも頓挫とんざしてしまいました。高圧的な態度は損をするし、謙虚な振る舞いには得しかありません。あなたも人生において得をしたいと思いませんか。

そして定年後に絶対してはいけないのは、前の肩書を語ることです。