60歳を過ぎても職場で必要とされる人は、なにが違うのか。漫画家の弘兼憲史さんは「年配者に求められるのは、過去の成功談ではなく経験に裏打ちされた失敗談だ。愚痴や不満を口にせず、若い人と同じ目線で話すことが大切だ。まして相手を論破する人が好かれるはずがない」という――。(第1回)
※本稿は、弘兼憲史『「まだ働かなきゃダメなんですか?」60歳からでもバリバリできる仕事力』(主婦と生活社)の一部を再編集したものです。
「嫌われる上司」の特徴
60歳を過ぎて、同じ会社で働こうと思ったときに「ああ、あの人まだこの会社にいるんだって。早く退職すればいいのに」と思われないようにするための努力を始めるのは、今からでも遅くはありません。
僕は高度成長の真っただ中の1970年に、松下電器産業に入りました。子どもの頃や学生時代に叱られたことはあっても、大したことはなかったのですが、入社すると仕事のやり方などでずいぶん叱られました。当時の松下電器は上司が部下に厳しいことで有名な会社だったので、3時間の説教などは当たり前でした。
僕たちは全共闘世代ですから概ね生意気で、大学の先生たちをつるし上げたこともありました。それが入社して規律の中に放り込まれると、いきなり怒鳴られ、人格を否定されるようになったのです。今まで怒られた経験がないので、会社の寮に帰ると、みんなが今日はこんなふうに怒られたという話になります。そして同期たちと、嫌われる上司はなぜ嫌われるのかを分析しました。
嫌われる上司とは、まず、自分中心で空気が読めない人。自慢話ばかりする人は、特に女性から嫌がられますので気をつけましょう。次に、部下の仕事の失敗をいつまでもしつこく蒸し返す人だと思います。
これは上司だけに限りませんが、お金に汚い人も嫌われます。例えば、飲みの席できっちり割り勘をする人や、元を取ろうと人より多くおつまみを食べたり、お酒を飲んだりする意地汚い人も嫌われます。

