※本稿は、佐藤政樹『世界一やさしい「ブレない自信」のつくり方 うまくいかない自分を変える方程式』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
劇団四季で学んだ呼吸法のすごさ
私が所属していた劇団四季では、ダンスや歌、お芝居といった舞台パフォーマンスの質を安定させ維持するために呼吸法の体得が必須でした。プロの世界では、呼吸法が身についていなければ生き残れないほど重要視されています。
本番直前、舞台袖は強烈な不安と緊張に包まれます。特に主役として舞台に立つ直前の真っ暗な舞台袖は極限の境地でした。劇団四季の看板を背負い、1000人を超える観衆の前へ一歩踏み出す必要があったのです。
あのシーンを失敗したらどうしよう…
あそこがうまくいかなかったらどうなるのだろう…
次々と不安が自分を襲います。誰も自分を助けてはくれません。言葉は悪いですが、開演5分前のブザーの音が大きく響き、客席のざわめきが聞こえてくると、まるで処刑台に上るような心境でした。
その極限の境地で唯一自分を支えてくれるパートナーがいたのです。それが呼吸法です。
本来、舞台パフォーマンスの質を安定させるための呼吸法は、困難な境地で実践すると、不思議なことにその瞬間、心の中の“不安という灰色の霧”がすっと消えてなくなっていく効果があったのです。
漠然とした不安をその場で対処し、一歩踏み込んで勇気を生み出してくれる。私は呼吸法にそんな力を感じました。この「自分で自分を支え回復させる力」は、舞台だけでなく、心がざわつく苦しい局面でも私を救ってくれました。
その後の人生の様々な転機においても、私を支え続けてくれたもの。それが、自分の内側に備わっていた「呼吸法」だったのです。
ここからお伝えする呼吸法は、私がプロの世界で学んだものをビジネスパーソンが実践できるように応用したものです。不安への対処法を知っているかどうかは大きな差です。知っていればあなたの財産になります。これからの人生であなたを支える“一生のパートナー”だと思って、一緒に取り組んでいきましょう。
自己回復力を高める呼吸法のやり方
ここからは、私が極限の境地でそのすごさを体感した呼吸法を、ビジネスパーソンでも実践できる形に落とし込み、次の流れで解説していきます。
(1)結論と呼吸の本質
(2)呼吸のポジションの考え方
(3)基本動作:吐ききって脱力
(4)息を支える
(5)今日からできる実践ワーク(ロングブレス)
では進めていきましょう。

