「仕事が好きな人」はいつまでも若い

松下幸之助会長は「社会に奉仕しましょう。だから仕事を一生懸命しましょう。奉仕したらそのご褒美として報酬がもらえる。それが利益になります」という考えの持ち主でした。

最初から利益を得るために働くのではなく、奉仕すること、つまり社会の役に立つこと。松下電器産業でいえば、いい製品を世の中に出す。そしてそれが認められたら報酬としていただく。これが利益だと教えてくれました。

これは、どんな仕事においてもいえることだと思います。

あなたが退職した際に新しい仕事に就いたとしても、部下たちとの絆ができていれば、交流はこの先も続けることができるのではないでしょうか。

僕が知っている65歳以上で元気に活躍中の経営者の方々は、仕事が好きで忙しいことを楽しんでいらっしゃるように感じます。仕事は地位が上がれば上がるほど責任が増していきます。しかし、彼らはその責任の重ささえも、人生の醍醐味として軽やかに背負って楽しむ強さがあると思います。

僕も中小企業「ヒロカネプロダクション」のトップとして、生涯現役を目指しており、一緒に働くスタッフに対する責任感や、作品への期待に応えなければいけないと努力しています。そのおかげで、自分が今も日々成長しているなと感じられて、充実した楽しい毎日を過ごしています。

おそらく活躍中の経営者の方々も、自らが成長できていることを実感することで仕事が生きがいになり、充実感や幸福につながっているのではないかと思います。

人間はいくつになっても変わることができます。そして、成長することもできます。

男性ビジネスマンが握手を交わす
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

「老化」ではなく「成長」と捉える

以前、65歳を過ぎて社会では高齢者と分類される年齢になった頃、「自分は若いつもりなのに、おじいちゃんやシニアなどと呼ばれたくない」という同年齢の読者の方に「年を重ねるということは残念なことではなく、成長だと考えてみませんか」と提案したことがありました。

「抗えない現実を受け入れてポジティブに考えたほうがいい」という意味合いもありましたが、当時、人間の脳細胞は年をとっても増え続けているのではないかという学説が支持されていると知り、このときに成長という言葉を使ったのです。

最近、「スーパーエイジャー」という言葉を耳にするようになりました。80歳以上でもなお50~60代と同じくらいの認知機能を持つ高齢者のことです。彼らの多くは集中力が高く社交的で、人とのつながりを大切にし、地域社会で活躍しているといいます。おそらく僕が知る経営者の方々もスーパーエイジャー予備軍なのではないでしょうか。

好きな仕事を続け、社会に貢献しながら人とのつながりを持つ。それこそがいつまでも若々しく、社会で活躍できる秘訣なのではないでしょうか。