2026年7月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト3をお送りします。ライフ部門の第1位は――。
▼第1位 休日のイオンに「ボディーバッグ」で何が悪いのか…中年男性だけに「過剰な気遣い」を求める日本社会の異様
▼第2位 若者の「韓国離れ」が始まった…韓国ファッションに熱中した20代女性が"次の手本"にしているアジアの国
▼第3位 厚労省は「高齢者は8時間以上寝るな」と言うが…パリ大学が突き止めた「認知症リスクが30%跳ね上がる睡眠時間」
なぜ「休日イオンモールおじさん」が嫌われるのか
誰も、休日のイオンモールでの男性の服装になど興味を持っていないのではないか。というより、そんなテーマについて、誰も考えたことすらなかったのではないか。
それなのに、先日、X(旧ツイッター)で、生成AIで描かれた、縦型のボディーバッグを身につけた中年男性の画像が、「地方の田舎のイオンモールでよく見かけるこういう格好の人本当に嫌い」という文言とともに投稿され、話題を集めた。
その直後に、プレジデントオンラインでも〈「ボディーバッグ」より評判が悪い…休日のイオンで見かける一発で「だらしないお父さん」になるNGアイテム〉という記事が多くの読者に読まれたようだ。
他方で、この記事が掲載されたヤフーニュースのコメント欄には「誰にも迷惑をかけていないのに、なぜそんなことを言われなきゃいけないんだ」といった声が、少なからず寄せられていた。
暴力を振るったわけでも、不祥事を起こしたわけでもない。休みの日に、便利だと当人たちは愛用しているボディーバッグをかけて、家族とイオンに出かけているだけである。それなのに、なぜ「中年男性=カジュアルに叩いていい」という空気が、これほどまでに共有されているのだろうか。
「中年男性=叩いていい」という空気
理由のひとつは、中年男性だから、だろう。ことば遊びをしているのではない。「中年男性」というカテゴリーが、安全に揶揄できる対象として消費されやすいからである。
若い男性なら「さわやかさ」とか「あどけなさ」といった、未熟さゆえの安心感を与えられる。あるいは高齢男性なら、時に頑迷さの象徴になりかねないものの、それでも、体力をはじめとして、もはや恐れの対象にはなりにくい。中年男性は、この両者の中間に位置するがゆえに、とかく警戒されやすく、そして、その警戒心の裏表として、攻撃の的になりやすいのではないか。
若いころほど流行に敏感ではなくなり、かといって、年寄りほどには開き直れない。そんな宙ぶらりんであるがゆえに、時として知ったかぶりをしがちになる。上に挙げた「休日のイオン」での身なりにしても、若者ほどのセンスもなければ、高齢者ほどの定番でもない。どっちつかずのだらしなさが、叩かれる要因になる。
すると、中年男性は叩いても仕返しをしてこない、安全なサンドバッグだと認定されやすいのではないか。女性をはじめとした、これまで社会のなかで少数派に置かれてきた人たちを叩けば、かえってさらなる批判を浴びかねない。しかし、中年男性は、いまも昔も多数派であり、叩かれてしかるべき、いや、叩かれなければならない権力者の側とみなされている。
中年男性は「権力者」と見なされる一方、個人としては弱い。そうしたいろいろな要素が重なり、「中年男性=カジュアルに叩いていい」とされているのではないか。

