適切な睡眠時間とはどれくらいか。東北大学加齢医学研究所教授の川島隆太さんは「厚生労働省のガイドでは、高齢者は8時間以上床に就かないことを目安にしている。成人は6時間以上、中学・高校生は8~10時間、小学生は9~12時間が推奨されている」という――。

※本稿は、川島隆太『脳を休める!』(扶桑社新書)の一部を再編集したものです。

目覚まし時計
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先進国で「一番寝ていない」日本人

至極当たり前のことと思うかもしれませんが、脳と身体の疲労を改善しリフレッシュする最も適切な方法はしっかりと寝ることです。

しかし現代の日本人は、その「当たり前」が十分にできていません。OECD(経済協力開発機構)の国際比較調査では、日本人の平均睡眠時間は加盟国の中で最も短い水準であることがわかっています。平均すると、日本人の平均睡眠時間は7時間40分で、全体平均と比べても40分以上短いとされています。

とはいえ、これはあくまで平均の数字です。実際には、6時間未満睡眠の人の割合も多く、慢性的な睡眠不足状態にある人が少なくありません。睡眠不足は、単に眠気や疲れがとれないというだけでなく、集中力や判断力、感情のコントロールの低下にもつながります。

朝スッキリ起きられない人の健康リスク

良い睡眠の定義は、医学的には、睡眠の量(時間)と質(睡眠休養感)とされます。「睡眠休養感」とは、朝、ぐっすりとよく眠れて疲れがとれたと感じる感覚で、主観的なものですが、これが最も睡眠の質を反映していると現在は考えられています。

近年の国の調査では、睡眠休養感が得られていない人たちの割合が年々増えています。睡眠の質が悪いと、肥満、高血圧、糖尿病、心疾患、脳血管疾患、認知症、うつ病などの発症リスクが高まります。死亡リスクすら高まるとの報告もあります。

これらのリスクは、睡眠の量が少ない(睡眠時間が短い)ことによっても同様に生じます。当たり前ではありますが、健康な心身を保つために良い睡眠をとることはとても重要です。

まずは以下の項目で、自分の睡眠の質をチェックしてみてください。

□ 睡眠時間(7時間より少なくないか)
□ 日常生活にストレスを感じていないか
□ 就寝直前に食事をしていないか
□ 朝食を食べたか
□ 運動不足になっていないか
□ 歩く速さは落ちていないか
□ なんらかの病気に罹患していないか